5億年ボタン、記憶消さない版
”5億年ボタン”という話をご存じでしょうか。
簡単に言うと、ボタンを押すと異空間に飛ばされてそこで5億年過ごし(その空間では不老不死かつ意識を失えない)、終了すると5億年分の記憶を消されて現世に戻され、100万円手に入る…。冗談半分でこのボタンを押してしまった主人公スネ郎の行く末を描いた漫画です。
内容があまりに怖いため、検索してはいけない言葉の常連ともなっています。
・押す派、押さない派で議論が分かれている
しばしばこのボタンを押すか押さないかで議論が繰り広げられています。
押す派としては
「記憶が消えるのだから実質ボタンを押すだけ」
「記憶が連続しないから、5億年過ごすのは自分とは別の人」
押さない派としては
「500年で1円」
「ボタンを押した人間は5億年経過時点で死亡し、お金を受け取るのは別人」
という理由を挙げています。
因みに私は押す派です。
例えば、今たたいているキーボードが一つ一つ、未知の現象が原因で5億年ボタンと同じ機能を持っていたとしても、記憶が消されるのでそれを完全に否定することが出来ません。でも私はいつも通り生きています。本物の5億年ボタンもそれと同じ…という理屈です。いや屁理屈です。
・スネ郎はどうなった？
スネ郎が異空間に飛ばされてしばらくの間、彼は己の愚かさを悔いていました。意識を失うことが出来ないので、兎に角退屈を紛らわすため一人で遊べる遊びを開発しては飽き、開発しては飽きを繰り返していました。1万年も経過すると考えるのをやめていました。カーズ様状態です。
しかし5049272年目のある日、彼は哲学的疑問に目覚め、1億2316万9649年目で宇宙を理解し、その後3億7683万351年間空間と調和しました。
でもその後記憶が消され100万が手に入ると、懲りもせず(懲りることも出来ず)ボタンを16連打し、5億年16往復コースが始まって話が終わります。
・5億年の記憶が消されなかったら…？
5億年分の記憶を丸ごと現世に引き継いでしまった場合を無い頭で軽く考察してみます。
・知識はどうなる
作中でスネ郎は「人類の叡智を遥かに超えた理論の枠で真理を追究」していました。
多分、"量子力学と相対性理論の矛盾"だとか”究極統一理論”だとかを解決したのでしょう。というか宇宙を理解しちゃってます。これを現世に持ち込むとどうでしょう。まさしく神の頭脳です。現人神です。
人類が今まで数千年の間求め続けた答えが唐突に出現したことになります。きっと、その答えを聞こうと世界中の学者や研究機関から引っ張りだこになるでしょう。
・他人とのコミュニケーション
他人とのコミュニケーションはどうなるでしょう。私は不可能になると予想します。
誰とも話さないと脳が退化するとか声帯が退化するとか言われていますが、この空間では”肉体は不変”なので、それは考えないことにします。
しかし言語に関する記憶は別でしょう。
1年ほどの留学から帰ってきたら日本語が不自由になってしまった…なんて話を聞いたことがあります。それが5億年です。多分完全に忘却の彼方です。
仮に思い出せたとしましょう。今度は知能指数の壁が出てきます。知能指数に大きな差があると意思疎通が出来なくなるといわれています。5億年間考え続け、人類の叡智を単独で超越した人間の知能指数が恐ろしいほどに高いということは何となく想像がつきます。
・発狂する
彼にとって1秒前は5億年前です。
分かりやすく夢で例えてみましょう。もし、夢の中で10年の時間を体験してしまったらどうなるでしょう。10年経ったと思ったら朝起きたら数時間しか経っていなかった…。
体感した時間と実際に経過した時間が極端にズレるとどうなるのか。5chのスレに15年夢ですごしたと主張する人の話がありますが、その人は「発狂しそうになった」と語っています。
いままで過ごした20年間が全て夢だった、なんてなったら私は間違いなく発狂できます。
それが5億年なら発狂死すらあり得るのではないでしょうか。
・終わりに
考察したことを文にするというのは難しいですね。
ところで、この5億年ボタンって何のために作られたんでしょうかね。
5億年過ごした人間の記憶を引っこ抜いて研究資料にして、対価として100万円払っているとか、、、
それだと100万って安いな。
5億年ボタン…。皆さんは押しますか？押しませんか？
参考:
