市販車最速…スーパーカーを超えるハイパーカーたち。
彼らはその特異な容姿と車とは思えぬエキゾーストサウンド、そして圧倒的なスピードとパワーで多くの人々を魅了します。
最高速は時速300キロを優に超え、0-100加速は3秒前後、パワーウェイトレシオは4以下と言うのが当たり前です。価格も3000万円オーバーと、とても一般人には縁がないとしか言いようのない代物です。
しかしそんなスーパーカーをも超える存在があります。
"スーパー"を超えるという意味合いを込めて"ハイパーカー"と呼ばれる彼らは、「世界最速」の名を駆けて競い合っています。
価格も「億」の領域に達し、最高速は時速400キロオーバーというバケモノも存在します。
ヘネシー ヴェノムGT
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アメリカテキサス州のメーカー "ヘネシーパフォーマンス"が生み出してしまったモンスターカーです。
ヘネシーは、自分たちで車は作らず、メーカーが作った市販車をベースにチューニングを施し、それを販売する"チューニングメーカー"です。
私は、ダッジのポニーカー"チャレンジャー"の最上位グレード"デーモン"に対抗して、シボレーカマロを1000h英馬力に魔改造した"エクソシスト(悪魔祓い)"を販売したメーカーとして記憶しています。
そんなヘネシーが"ロータス エキシージ"をベースにチューニングを施したのが"ヘネシー ヴェノムGT"です。
エンジンをエキシージのトヨタ製3.5L V6エンジンからGM製7L V8エンジンに変更、加えてツインターボを搭載することで1244英馬力(=1261馬力)を達ししました。しかも車重は1244kg、つまりパワーウェイトレシオが1を割るという常軌を逸した市販車なのです。こんなスペックなので、購入者はヘネシーのテストドライバーの講習を受けなければなりません。
この車が持つ"0-300キロ加速:13.63秒"は「2シーター量産車世界最速記録」としてギネス認定されています。
ブガッティ シロン
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現代に甦ったフランスの伝説のカーメーカー"ブガッティ"から500台限定で販売された、多分最も有名なハイパーカーです。
まず簡単なスペックです
- エンジン:8L W16クアッドターボエンジン
- 最大馬力:1500馬力
- 最大トルク:1603N・m
- 車体重量:1966kg
- 最高速度:420km/h
W型エンジンはまだしも、16気筒とかクアッドターボなんて初めて聞きました。
上に書いてある最高速度は、正確には"市販状態での最高速"です。これ以上の速度に耐えらえるタイヤが無かったためにリミッターをかけたのです。理論上はもっと出るらしく、それを暗に示すようにスピードメーターは500キロまで刻まれています。
価格は260万ドル(3億円)です。この価格は市販量産車最高額となっています。
因みに、シロンのタイヤはとても柔らかく、すぐに溝が無くなるので、4000キロで交換しなければなりません。しかもタイヤの価格は400万円で、一々故郷のフランスに送らねばならないというオマケも付いています。
ケーニグセグ アゲーラ
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シロンと対をなす、スウェーデン生まれのハイパーカー"ケーニグセグ アゲーラ"。
エンジンは5L V8ツインターボと常識的で、馬力は1115馬力と控えめですが、車重は1300kgちょっとと上記"シロン"よりも大分軽くなっています。
軽くなっている分、この車はブレーキ性能も高く、時速100キロからの制動距離は僅か30mです。更に時速300キロからの停止までの時間は6.66秒。アウトバーンでいきなり急ブレーキを駆けられたらむち打ち待ったなしです。
勿論加速性能も申し分なく…というかクレイジーで、時速300キロまで14.53秒です。
つまり「停止から時速300キロまで加速し、その後停止するまでの時間」は21.19秒ということになり、この記録は2シーター市販車最速としてギネスに認定されています。
最高速は理論上、時速440キロとしていますが、耐えられるタイヤがないからこうなるだけで、タイヤさえあればもっと出るらしいです。