本当にマニュアル車はオートマ車よりも安全なのか
最近、車が暴走して集団登校の列や散歩中の園児、コンビニに突っ込んで、尊い命が奪われるという事故のニュースをよく聞く気がします。
その事故の原因の多くが、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」だそうです。なので、twitter上では「MT車ならこんなことは起きなかった」「やはりAT限定はなくすべき」などといった議論が沸き起こっていました。
しかし一部では、「MTでも踏み間違えはある」「このご時世にMT乗る物好きは単純に運転が上手い」といった反論もありました。
今回はMT(マニュアル)とAT(オートマ)、どっちが優秀なのかを考察していこうと思います。
MTは難しいから安全？
MT優秀派のテンプレ意見です。曰く、「MTはクラッチ操作が増えるので難しい。なので運転に集中するから安全」というものです。
日頃からMTに乗っている私に言わせれば、これは単に"限定免許にマウントをとりたいだけのAT車乗りの意見"だと思います。
教習所のMTコースには必ずAT車の講習があるのですが、その時は確かにMT車の難しさを実感すると思います。しかし人間は慣れるものです。MT車を購入して、それを何千キロも乗り回していると、すっかり慣れて何も考えずにクラッチ操作が出来るようになってしまいます。
実際私も1万キロ走ってみて「体が勝手に変速するから実質AT」という考えにたどり着きました。
これでMTが優秀だという結論にたどり着くには説得力に欠けると思います。
MTはクリープ現象がないから安全
だいたいのAT車には"クリープ現象"という、アクセルを踏まなくても車が動くという特性があります。一見、怖い特性に聞こえますが、決して悪いことばかりではありません。
デメリットは"車が勝手に動く"ということです。
例えばドライブスルーでDレンジに入れたまま停車しているとします。うっかりブレーキを離してしまった場合、車はゆっくり前進していきます。多くの人は慌ててブレーキを踏むと思いますが、この時に誤ってアクセルを踏んでしまうと大惨事です。
メリットは"前進する力が常に働いている"ということです。
例えば徐行運転をしている時、この特性を活かせばブレーキに足を置きっぱなしで動くことができます。飛び出しに対して素早く対応できますね。
MTはこのメリット/デメリットが無くなるわけですが、皆さんはどう考えますか？
私は、これについてはマニュアルに軍配が上がると思います。
MT車はクリープこそありませんが、一旦車が動き出せばその後はアクセルを踏まずともエンストせずアイドリングだけで動き続けるので、ブレーキに足をかけたままの徐行運転が可能です。
こうなってくるとAT車のデメリットが目立ってしまいます。
MTはアクセルとブレーキを踏み間違えない？
MT車の場合、バックのような徐行運転ではブレーキを踏むとすぐにエンストします。だからブレーキとクラッチは同時に踏み込まれます。
たとえ間違えてアクセルを踏んでしまったとしても、ブレーキを踏むつもりであったのならクラッチペダルを踏み込んでいるはずなので、加速して店に突っ込むことはありません。
しかし、ATにはクリープ現象があります。この特性を使えばブレーキに足を置いたままバックが出来るので、踏み間違えすら起きません。
無理にアクセルまで使ってバックしようとするからATが危険に思えるだけで、むしろアクセル必須のMTの方が危険じゃないかと思えてきます。
結論
確かに、「MT車の方が事故率が低い」という意見もあります。しかしそれは、このご時世にMTに乗るのは車好きで運転が上手いというだけではないでしょうか。
もし本当にAT車が危険だとしたら、AT車がここまで広まることは無かったでしょう。ATもMTも安全面では大して変わらなくて、ATの方が運転が楽だから新車登録の99%がATということになったのでしょう。
