暇人によるクルマ語り

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自主規制限界…280馬力の車たち

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280馬力。このワードにピンと来たあなたはきっと車好きの筈です。

 昭和末期、国産車メーカーは最大馬力競争に明け暮れていました。事の発端は1979年、スカイラインが、モデルチェンジしたトヨタ セリカに「名ばかりのGT達は道を開ける」と挑発を受けたことに始まります。各メーカーは、当時は高性能車の証とされたDOHCエンジンを搭載したモデルをラインアップしたり、ターボエンジンを設定したりなど、兎に角パワーに拘り、とうとう1989年、Z32型フェアレディZ他2車種が最大出力300馬力を達成しました。

 馬力が上がることはいいことです。スポーツカーは運動性能の向上や爆発的な加速を、高級車はパワーの余裕を得ることができます。しかし良いことだけではありません。パワーが上がり過ぎると、その膨大なパワーを一般人では扱いきれず、スピンなどで事故を起こしてしまします。トラクションコントロールなどのない昔の車なら尚更です。

 このことを問題視した当時の運輸省により行政指導が入り、国内では280馬力で販売されることになりました。これが280馬力規制の始まりです。

[目次]

 

日産 フェアレディZ(Z32型)

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出典:

日産・フェアレディZ - Wikipedia

 

 280馬力規制のキッカケを作った張本人です。先代Zからすっかり巨大化し、車幅は5ナンバーサイズから堂々の1800mmに、されど車高は1255mmと低くなり、見事なロー&ワイドへと進化しました。 

 Z31のリトラを連想させるような形状のヘッドライトは、そのデザインの美しさを買われ、ランボルギーニ ディアブロ後期型のヘッドライトに採用されました。

 エンジンは300psを叩き出すV6 3000ccツインターボエンジン"VG30DETT"を採用。インフィニティQ45スカイラインGT-Rと共に”300馬力トリオ”として販売される予定でしたが、行政指導でデチューン、280psで販売されました。でも実馬力は280psを軽く超えていた、なんて話はよく聞きます。

 

ユーノス コスモ

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出典:

マツダ・コスモ - Wikipedia

 搭載されるエンジンは世界唯一の市販車用3ローター"20B"。そのエンジンは333psを発揮し、V12エンジン級の滑らかさを持ち、スーパーカー並みの極悪燃費叩き出すとされました。

 当然ながら自主規制の対象になり、デチューンされて販売されました。しかしこいつもやっぱり実馬力が280psを軽く超えていたそうです。

 因みに20Bの2ローター版であり、コスモの下位グレードやRX-7に搭載された13Bエンジンも後年、280psに到達しました。

 

トヨタ スープラ(A70型)

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出典:

トヨタ・スープラ - Wikipedia

 1988年、限定モデル"ターボA"が270psを達成しました。が、このときに搭載されていたエンジン"7M-GTE"は基本設計から四半世紀も経過しており、流石に古すぎるとして新開発された直6 2500ccエンジン"1JZ"を搭載した後期型モデルが280psを達成しました。発売当初は最小排気量での280ps達成となりました。

 

hinazinzakki.hatenablog.com

 

トヨタ センチュリー(GZG50型)

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出典:

トヨタ・センチュリー - Wikipedia

 1997年、30年の長きにわたりモデルチェンジを行わなかったセンチュリーが代替わりしました。どう考えてもスポーツ走行とは関係ない威厳ある高級車ですが、自主規制の対象車です。

 搭載されるエンジンは"1GZ"、国産車唯一のV12エンジンです。完全新規設計ではなく、1JZ型エンジンを2個くっつけることで設計されたので、排気量は5000ccです。片側6気筒が故障しても残り半分で走れるそうですよ。

 よく「センチュリーは一般人には売ってくれない」と言われますが、そんなことはありません。普通に売ってくれます。ただ完全受注生産なので、納期が半年なんてことがザラなだけです。

 

 

 

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