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マークX生産終了… その歴史を振り返る

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 消滅が噂されていたマークXの生産終了がとうとう決まってしまいました。今年いっぱいでコロナマークⅡから続く52年の歴史に幕を降ろします。ここ最近のセダン不人気の煽りを受けた感じでしょうか。

 多くの人や物を運べるSUVやミニバンに比べて、基本5人までしか運べず荷室も小さいセダンは、時代に合わないということですね。

 今回は、そんなマークXの歴史を振り返っていきます。

 

 前史

 まずはマークXのご先祖様、マークⅡに触れておきましょう。

コロナマークⅡ時代

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 1968年、当時のトヨタの中級車"コロナ"の発展型として登場しました。当時はピックアップモデルも存在していました。2代目にモデルチェンジした際に車両形式が"X10"型となり、その後のモデルチェンジではX20X30...と続いていき、現在のマークXの型式"X130"まで続きます。

 3代目のモデルチェンジでチェイサーが、4代目でクレスタが派生し、纏めて「マークⅡ3兄弟」と呼ばれるようになりました。

 ちなみに"コロナ"の方は、現在も"プレミオ/アリオン"として健在です。

マークⅡ時代

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 5代目で遂に"マークⅡ"と名称を変更し、"コロナ"ファミリーと決別しました。この代からツインターボエンジン搭載モデルをラインナップし、スポーツ色を高めていくことになります。

 6代目はハイソカーブームの象徴とも言える存在で、高級車という立ち位置にも関わらず、1990年には3兄弟の合計の売り上げが大衆車であるはずのカローラを超えてしまうという珍記録を樹立しています。

 7代目で全グレードが3ナンバーとなり、より一層高級車としての品格を高めました。    

 8代目ではエアバックやABSの搭載など、衝突安全にも気配りがなされました。

 9代目でクレスタ/チェイサーが纏めて"ヴェロッサ"へと名称変更、3兄弟体制が崩れ、2004年、モデルチェンジする際にマークⅡ/ヴェロッサを統合し、"マークX"として新たな道を歩み始めました。

初代/通算10代目(X120型)

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出典:

トヨタ・マークX - Wikipedia

 マークⅡからの脱却を目的として、V6エンジンへの切り替えスタイリングの大幅な刷新12代目クラウンとのシャシ共有など、フルモデルチェンジだとしても大胆な変更が盛り込まれました。 

 現在のトヨタの高級車やレクサス車に多数採用されているリアバンパーと一体化したタイプのマフラーは、実はこのマークXが初めて採用したものです。リアをスマートに見せるのが目的なのしょう。ただ構造上、マフラー交換が容易ではなくなっているので、「爆音マフラーで品格を損なうことを防止するためではないのか」とも噂されています。

 MT設定や、5代目から採用され続けたターボモデルが全て廃止になってしまったため、先のマフラーも含めてドリフト界隈からは不評となっているそうです。

 しかし、全体を見れば好評だったようで、セダン不人気の逆風に見事に抗い、堅調な売り上げを見せたそうです。事実、未だに街中で初代を頻繁に見かけますし、中古車サイトでも多数の中古車が揚げられています。

2代目/通算11代目(X130型)

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出典: 

トヨタ・マークX - Wikipedia

 2009年、マークXとして初にして唯一のフルモデルチェンジが施されました。

 先代から引き続きクラウンとのシャシを共有、3連プロジェクタヘッドライトとグリルはアイデンティティとして先代から引き継ぎました。

 外見こそ先代そっくりではありますが、搭載エンジンを歴代最大となる3.5Lにして大幅にパワーアップ、2.5L直4モデルの方もレギュラーガソリンに対応し経済性を考慮するなどの変更が行われました。採用されると思われていた一体型マフラーは何故か採用されませんでした。

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 2012年に中期モデルへマイナーチェンジ、むしろこっちがフルモデルチェンジじゃないかと思えるくらい意匠を変更してきました。更に新たにスポーツモデル"G's"を追加しました。

 2014年にはGAZOOブランドから限定モデル"GRMN"が発売、100台限定とはいえ、10年ぶりにMTモデルが復活することになりました。

 2016年に後期モデルへ移行したもののHVモデルが追加されず、廃止になるのではないかと噂され始め、2019年4月に"ファイナルエディション"が発売、今年いっぱいでの生産終了が決定され、54年の歴史に幕を降ろすことになりました。