日本最強最悪の酷道4選~絶対に走りたくない~
"国道"と聞くと、多くの人は都市間を結ぶ立派な道を想像すると思います。都心部では片側2車線以上で周囲にブランド店や大手企業、雑居ビルが建ち並び、山間部や地方でも綺麗に整備されて、トンネルや橋などで出来るだけ急こう配急カーブが無いようにしている…そんな感じでしょう。
でも中には田舎のあぜ道の方が立派なんじゃないかと思うほど酷い状態の国道があります。人はそれを”酷道”と呼びます。
同類のものに"険道"や"腐道"、"吐道"などがあります。
※この記事では国道○○号を"R○○"として省略する場合があります。
国道157号
出典:
落ちたら死ぬ!!
の看板で有名な酷道です。この看板は脅しでも冷やかしでもなく、本当に落ちると大けがや廃車は免れません。他の酷道と比較しても頭一つ抜けた酷く、「日本の酷道ランキング」議論では、だいたい上位に君臨しています。
切り立った崖の際に敷かれているこの酷道は、カーブミラーどころかガードレールすらなく、当たり前のように車一台分の道幅しかなく、正面から車が来たときには絶望感すら抱きます。
川が道路を横切る”洗い越し”が存在することから、「川を渡る酷道」の異名を持ちます。
こんな最悪の酷道ですが、金沢市~大野市~岐阜市を結ぶこの国道は、北陸と東海を最短ルートで結ぶ道でもあります。
国道170号
R170は大阪北東部から関空近辺までを結ぶ幹線道路です。普通に走っていると酷道要素の"こ"の字すら見当たらない立派な道ですが、実は旧道が存在します。
この旧道は上のR157とは違い、山間部を走ることはなく道もしっかり舗装され、人通りもそこそこあります。なのになぜ酷道として紹介するのか。それは、車一台分の道幅の入り組んだ住宅街を通ったり、アーケード街を通ったりするからです。
「軒下酷道」と呼ばれるこの道は、「国道指定を外すと看板を付け替えなくてはならない」「国道指定したままでも混乱は起きない」などの理由で、現道と並行して国道指定されています。
国道25号
国道のうち、二桁の路線番号が振られたものを「一級国道」或いは「二桁国道」といい、国道の中でも特に高規格で、高速道路を除けば最も重要かつ立派な道とされています。
R25は「名阪国道」と呼ばれ、特に亀山市~天理市は高規格の自動車専用道路となっている、酷道とは正反対の存在です。
実はこの道にも国道指定されたまま旧道が存在し、”酷道”と呼ばれているのはそれです。「非名阪」「名阪酷道」の愛称を持ちます。
名阪国道が片側2~3車線で立派な中央分離帯が存在するのに対し、非名阪は1車線、舗装はズタズタで最早ダート、天端国道(天端:ダムの頂上)、県道に負ける道路規格など、楽死い要素が溢れています。
ちなみに名阪国道の方も、天理IC~福住IC間の"オメガカーブ"は事故が多発しており、そういった意味では”酷道”と呼べるかもしれません。
国道439号
「日本三大酷道」に数えられることから、どれほど酷い状況なのか押して図ることが出来るでしょう(他はR425、R418)。路線番号から「ヨサク」という愛称で親しまれて?います。
徳島市~四万十市を四国山地を横切るように結ぶ、実延長243キロのこの道は、ほとんどが山間部にあり、全体の7割は車一台分の幅員しかなく、当然のようにガードレールがなく離合が極めて困難です。路面はコケと落ち葉に覆われ滑りやすく、"おにぎり"と呼ばれる案内標識は傾いています。
沿線にガソリンスタンドがあまりなく、100キロ以上に渡ってコンビニの無い区間もあり、JAF到着に数時間を要したりするので、決して遊び半分で行ってはいけない場所です。
ただR439で見られる景色は、過酷な道のりを考えても一見の価値はあるので、運転に自信アリなら行ってみるのもありかも知れません。私は行きません。
番外編
ボリビア国道25号
"ユンガス・ロード"と呼ばれるこの道は、首都ラパスからアマゾンを抜けユンガス地方へと向かう道路です。70キロに満たない短い区間で年間100人の死者が出ていたとんでもない道で、そのことから「死の道路」という生々しい異名を付けられています。
ガードレール無し、幅員狭小、急カーブ、崖っぷち、悪路といった特徴は日本の酷道と変わりないのですが、ラパス~ユンガスの道がこれしかなく、交通量が尋常なく多いのです。悪路のレベルも、アスファルトが砕かれたレベルではなく、最初から舗装されていない全くの未舗装路のレベルです。崖は場所によっては数百メートル切り立っており、落ちれば命はないと直感で分かります。
現在は安全な新道が出来ており、旧道はサイクリングの名所になっています。