なぜクラウンがパトカー?税金の無駄じゃない？

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　所謂”はたらくくるま”の代表格、パトカー。

　白黒のツートンで、サイドに「〇〇県警」って書かれてて、上にパトランプが乗っている…。パトカーの特徴と言えばこんな感じです。

　もう少し詳しく、車種もしっかり見てみましょう。「殆どクラウンじゃねえか」と気付くはずです。どういう訳かパトカーは殆どトヨタのクラウンです。

「大量に配備するのにクラウンなんて高級車使いやがって…。税金の無駄だ！」と感じる方も多いと思います。実際私もそう考えていた時期もありました。しかし決してそうではありません。

　一体なぜ高級車であるはずのクラウンなんでしょうか？

「パトカーの条件」を満たしていたから

　パトカーは緊急車両です。そんな車両が頻繁に故障したり、全然走れなかったりなんてことがあってはいけません。なので警察庁から「パトカーの条件」というものが細かく決められています。以下はその一部です。

・4ドアセダンであること

・排気量2500cc以上であること

・サスペンションが、トランクに60kgの荷物を常時積載し、さらに昇降機付き警光灯を搭載した状態で20万キロ走行に耐えられること

・トランクルームが概ねフラットで450L以上の容量を持っていること

　これら全ての条件を満たした車がパトカーになれるのですが、それが出来ているのはほぼクラウンだけなのです。

　クラウンには実は”パトカー用グレード”なるものが存在しています。当然市販はされないのですが、このグレードの存在によりあるメリットが現れます。それは”改造費がかからない”というものです。

　パトカーは市販の車の装備とは全く異なる、専用の装備を多数備えています（無線やパトランプなど）。普通の市販車を買ってしまうと、購入費+改造費となってしまいますが、パトカー用グレードであれば購入費だけで済みます。

　またカタロググレードにしてしまうことで大量生産が可能になり、生産コストが下がり、納車を滞りなく行えるという利点も生まれます。

　パトカーの仕事はパトロールだけではありません。逃走する犯人を捕まえるのも務めです。

　仮にパトカーがそんなにスピードの出ない普通の買い物カーだったとしましょう。もし犯人がランエボなんかで逃走したらどうでしょう。多分一生追いつけず、犯人を逃してしまいます。

　しかしクラウンは違います。クラウンは高級車です。高級車は余裕を引き出すためにハイパワーです。

　現在主流の210系クラウンで315ps、車重が1600kg超なので、パワーウェイトレシオは5.17。この数字だけでも速そうですね。

「クラウンなんて税金の無駄だ…」と思われていた方、いかがでしたでしょうか。パトカーは我々市民の安全を守ってくれている物です。そこを”税金の無駄”でケチってしまうのは遺憾なことだ、と私は思います。