アメ車が日本で売れない理由
ここ最近外車が随分と増えましたね。ベンツを筆頭にBMW、VW、アルファロメオ、ルノー…。外車を見かけない日はありません。
日本自動車販売協会連合会(自販連)の統計によると、2017年の新車登録台数が523万4095台、うち輸入車が35万1020台。あれ?存外売れてないな(´・ω・`) 5台に1台くらいは外車なイメージがあったのに…。それでも15台に1台程度です。
因みに天下のトヨタ様は159万288台、流石ですね~^
ところで、アメ車ってどれくらいの頻度で見ますか?これだけ外車が走っているのに見かけるアメ車は精々ジープ程度でしょうか。それ以外は走ってたら二度見するレベルでレアです。
実際ジープ以外は去年の新車登録が3桁台です。1か月じゃなくて1年です。もっと言うなら1車種ではなくブランド全体です。更に言うなら全部フェラーリに負けてます。
なんでこんなことになったんでしょうか。今回はアメ車が日本で売れない理由を考察していきます。
大きさ
アメリカといえば何でもデカいイメージがありますよね。ハンバーガー、ステーキ、道路、農場…。例に漏れずクルマもデカいです。全幅180センチなぞ小型車です。200センチ超えもザラです。でもそれに見合った道路、駐車場がアメリカにはあります。だから不便しません。よく見知った日本車もそれに合わせて巨大化してます。
でも日本はどうでしょう。国土の関係で道は狭く入り組み、駐車場は小さく、山道はハンパなくうねってます。こんな環境の国に奴らは本国仕様と同サイズのものを売ってきます。想像してください、住宅街の狭小道路を車幅190センチのカマロが侵入してくる様を。私が運転中にこんなのと出くわしたら「勘弁してくれよ…」と120%思います。
排気量
日本の自動車税は排気量によって決まります。ガソリンにも高額の税金をかけられます。欧州もまた、CO2排気量で税金が決まります。なので日本車は税額や燃費対策で、多くのクルマがより小さな排気量でパワーを捻りだそうとしています。
ところがアメリカは違います。排気量やCO2量による税金はありません。産油国なのでガソリンも安いです。なのでV8 6リッターなんてエンジンを平気で載せます。もうお分かりでしょう。
そのまま売ってきます。
中くらいのアメ車にありがちな5300ccの税金は88000円、6000ccオーバーに至っては110000円也。払えるか。
左ハンドル
右ハンドルを採用している国、言い換えると左側通行の国は少数派です。日本とイギリス連邦、タイだけです。他はみんな右側通行です。ドイツとかフランスもそうです。でも街中を走ってる外車は大半が右ハンドルです。彼らは日本に合わせて右ハンドルを設定し、製造し、輸出して販売しています。
ところがアメ車は国内販売でも左ハンドルが大半です。憧れる人も多いでしょうが、実用を考えると中々手が出せないでしょう。しかも巨体
ブランドイメージ
決定打はこれだと思っています。
アメ車で唯一売れているブランド、ジープを考えてみます。5,60代の人たちに「あの車は何?」と、パジェロやランクルみたいなクロカンを指さして聞くと、多くの人が「ジープ」と答えるそうです。皆さんも「ジープ」というと何となく軍用車みたいなのを想像するのではないでしょうか。
私はこのイメージこそがジープの人気を支えているのではないかと考えています。ブランドイメージが高い、或いは広く知れ渡っていると自然と人気が出ます。人気が出ると需要の関係で下取り価格は高くなります。下取りの高い車はやはり人気が出ます。
この様にして”売れる”からこそ、日本での販売に力を入れられます。”売れない”と予測される商品に大金を注ぐのは厳しいです。
私はアメ車が欲しいと思っている割とレアな人間です。
ダウンサイジングが主流の今、大排気量エンジンから得られる馬鹿力を安く手に入れられるのはアメ車だけでしょう。アメ車が日本で売れるためにはダウンサイジングは必須でしょうが、それでも大排気量モデルも残してもらいたいものです。
それがアメ車の魅力でもあるのですから。